神の真庭久高島は沖縄県旧知念村にある周囲約8キロメートルの南北に細長い島で、琉球の祖神アマミキヨが初めて降り立った琉球王朝開闢の地とされている。 「神の島」と呼ばれるこの島には、古くから御嶽(うたき)と呼ばれるニライカナイから神や祖先が来訪するとされる場所が島中に点在する。 島では、生まれた子どもに「あまり偉くなってはいけない」という意味の祝詞を捧げる。離島という過酷な環境の下で、女は「神人」男は「海人」として、その生涯は生まれた時から定められていたからだという。 その一生を通じ「神の島」で生まれたことを誇りとし、海人として海を渡り、神人として神を祀り、神を支えとし、神を見つめ、神に包まれながら日々の暮らしを営み、祈り、感謝し、その島で死んでいく。 神は島のあちこちに立ち現れ、人びとの生と死をみつめ続けてきたのかもしれない。彼らの生活とその祈りは形を変えながらも、この島では綿々と続いていた。 | english | | 001 | 002 | 003 | 004 | 005 | 006 | 007 | 008 | 009 | 010 | 011 | 012 | 013 | 014 | 015 | 016 | 017 | 018 | 019 | 020 |